第1回『次世代につなぎたい江戸東京野菜』

講師は、大竹道茂さん(江戸東京・伝統野菜研究会代表)。江戸東京野菜の由来、その種類、現代における江戸東京野菜の意義、そして普及に向けた地域でのさまざまな取り組みについてお話いただきました。

江戸から東京の野菜文化を継承する江戸東京野菜。その特徴は、固定種であること。栽培して種をとり、またその種をまくことで受け継がれてきましたが、実のそろいが悪く、3割は規格外になってしまうことや、収穫量が少ない割に手間もかかることから、次第に生産農家は減っていきました。そんな江戸東京野菜の復活に向けて、産地を伝える説明板設置や、普及啓発に向けた活動を行ってきた大竹さん。江東区のある小学校では、毎年“砂村一本ネギ”を育て、8月末には5年生が自家採種したタネを4年生に手渡す「贈呈式」があるそうです。種を通して命がつながっていることの大事さと尊さをあらためて思う、印象深いお話でした。

新宿区の江戸東京野菜は4種、内藤トウガラシ、淀橋カボチャ、鳴子ウリ、そして早稲田ミョウガ。いにしえの早稲田ミョウガを探す「早稲田みょうが捜索隊」は、数回の捜索活動で早稲田地区30か所にミョウガを発見!株分けしてもらい、栽培を委託した練馬区の農家で育ったミョウガは、香りもよく、とてもおいしいものだったそう。その後、東日本大震災復興支援のため、気仙沼の戻りガツオに早稲田ミョウガを添えて食べる「早稲田かつお祭り」が企画され、早稲田ミョウガを使ったアイテム(カクテル、ドレッシング)も生まれるなど、地元でも大きな盛り上がりをみせているそうです。

江戸東京野菜のストーリーを知ると、食したくなり、食した後は育ててみたくもなり、人に伝えたくもなります。大竹さんからお聞きしたその普及啓発の切り口は、まちづくりであり、人づくり。食べる人がいないと途絶えてしまう種をつなぐ、地域を巻き込んだ“楽しい工夫”を生み出しながら、その信念を持ち続けることが大切なのだ、と思いました。

大竹さん

大竹さん

大竹さん

内藤トウガラシと淀橋カボチャ(西新宿小学校産)を展示しました

内藤トウガラシと淀橋カボチャ(西新宿小学校産)を展示しました

内藤トウガラシと淀橋カボチャ(西新宿小学校産)を展示しました


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